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こんにちは、commonoデザイナー/翻訳者のうちむらです。

UXデザインについてのシリーズの第1回目です。最近よく聞く単語ですが、通常の「デザイン」とはどうちがうのでしょうか。初回は、「UXを無視できないのはなぜか」というテーマでお話していきます。

みなさんは、”Zune”というプロダクトはご存知でしょうか?下の画像がその商品になります。

ご覧いただいてわかるように、AppleのiPodに対抗した音楽プレーヤーです。しかも、天下のMicrosoftが満を持して投入した製品とあって、発売当初は「Appleの牙城もついに陥落か」と言われたものですが、発売から約5年の2011年に発売が終了、それまでに獲得したシェアはIPodの75%に対しわずか5%にとどまり、日本では発売さえされていません。

果たしてZuneは、iPodとくらべて、それほど劣る商品だったのでしょうか。当時のMicrosoftはそうは思っていなかったでしょう。Xboxを開発したトップチームを投入し、Appleより大きな資金、高い技術力を使って開発を行いました。単純に「iPodよりいいスペックのプレーヤー」だったのです。

それだけではありません、6年がかりでアップル社の製品をリサーチし、デザインもAppleにひけをとらないレベルに仕上げました。当時iPodにはなかったwi-fiを搭載するという念の入れようで、本気でiPodをつぶそうとしていたのは明らかです。

では、なぜ?

一言で言うと、「UXを優先していなかった」のが、その原因だと言われています。UXとは「ユーザ・エクスペリエンス」の略で、あえて訳するなら「使用者体験」という感じでしょうか。もう少し噛み砕くなら「ユーザにワクワクを提供すること」と言えるかもしれません。

「ワクワクを提供する」ことをゴールとして設定した場合、わたしたちはユーザの感情と理性、どちらに訴えたらよいのでしょう?こう聞かれると言わずもがなな感じがしますが、従来のマーケティング方法ではここでどうしても理性に偏ってしまいがちになってしまいます。

購買であれ政治活動であれ、人間が行動を起こす時、その動機は理屈ではなく感情です。この大原則を理解するかどうかが、UXデザインの第一歩といえるでしょう。

Zuneがやろうとしたマーケティングというのは、言葉でまとめると「この音楽プレイヤーですが、今までより高音質で,しかもみなさんが欲しかったwi-fi機能も搭載致しました、ぜひご購入ください。」というものでした。

それに対してiPodは、「これ、今世界一クールなデバイスで、単なるMP3プレイヤー以上の存在です。どうぞ手にとってみて!」というマーケティングをしたわけです。Appleはこのメッセージを伝えるために、このデバイスを最高にファッショナブルで、シンプルで、差別化された商品に作り上げました。その方向性とマッチしない機能はすべて排除した、と言い換えることができるかもしれません。

現在UXは、デザインをする上で無視することのできない重要なファクターになっています。単に「いいもの安く」では顧客を引きつけることができないのです。ユーザを「納得させる」のではなく、「ワクワクさせる」「わかりやすく直感的」「ユーザを正しく導く」、プロダクトであれwebサイトであれこのゴールを目指して構築していくというのが重要なんですね。

特にwebデザインの面でこの傾向は顕著です。今はブログであれSNSであれ様々なサービスで、デザインテンプレートが充実しています。コンテンツがある程度あって適切なテンプレを選べば、まあまあきれいなサイトというのは数分で作成できてしまいます。ただ、誰でも作れるということは、そこでは差別化ができないということになりますね。その中で他から抜けていくためには、コンテンツをよほど充実させるか、コンテンツの見せ方に仕掛けを施して、サイトを閲覧するという「よい体験」を提供する、という方向性を、あるいはその両方を自ずと目指していくことになります。

では、具体的にUXをどのように実装していけばよいのでしょうか。次回はよいUXを提供するための、7つの要素を考慮いたします。

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